ターゲット、カナダから撤退〜1.7万人を解雇、損失54億ドル

 大手安売りチェーンのターゲット(ミネソタ州)は15日、参入から2年足らずでカナダ市場からの撤退を発表した。全133店舗の閉鎖に伴い1万7000人以上の従業員を解雇し、同社の第4四半期(11〜1月期)決算で投資の評価損など総額54億ドルの税引き前損失を計上する。

 ロイター通信によると、米2位のターゲットは2013年3月のカナダ初出店以来、苦戦が続いていた。倉庫での問題や本社との連絡不足、従業員の経験不足など幾多の問題に見舞われ、市場を支配するウォルマートに対抗できる店として期待した消費者を品ぞろえや在庫の不足で失望させた。

 ターゲットは11月、歳末商戦後にカナダ事業の将来を見直すと発表していたが、商戦中も客足は低調で、ブライアン・コーネル最高経営責任者(CEO)によると現状維持を正当化できるだけの「大きな変化」が見られなかった。

 それでもターゲットの今回の決定は、売り上げが最も低迷する店舗だけ閉鎖し、残りのてこ入れを図ると予想していた専門家を驚かせた。フィッチ・レイティングスによると、ターゲットはこれまで、約25億ドルの設備投資と17億ドルに上る損失を含め、総額約60億ドルをカナダ市場に投じてきた。

 ターゲットは、カナダから撤退することで、13年末の大規模な情報流出被害から回復途上にある米国事業に力を注げると説明した。

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