新実死刑囚が証人出廷 「尊師の計画伝えた」

 【共同】元オウム真理教信者高橋克也被告(56)の裁判員裁判が23日、東京地裁であり、刑の確定後初めて証人出廷した元教団幹部新実智光死刑囚(50)が猛毒VX襲撃事件を振り返って「尊師が事前に『VXは猛毒の兵器』と説明していた」と証言した。

 「尊師」は松本智津夫死刑囚(59)=教祖名麻原彰晃=を敬意を込めて呼ぶ言葉で、最古参信者の新実死刑囚は自身の裁判でも使っていた。傍聴席との間に設けられたついたてを背にした新実死刑囚はよく通る声で検察官の質問によどみなく答えた。

 証言によると、高橋被告は、起訴された2事件の前に起きた別のVX事件直後、松本死刑囚への報告の場に同席していた。この計画は失敗に終わり、その後の打ち合わせでは新実死刑囚が被告らに「尊師が今度は大丈夫だろうと言っている。VXの濃さと量が2倍になった」と伝えたという。

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