フレックス・ロジック、FPGAチップで有望視 〜 ニッチ市場の開拓で勝負

 シリコン・バレーの起業界とベンチャー・キャピタル業界は長年にわたってソフトウェア重視路線を踏襲してきたが、シリコン・バレー元来のチップ分野で久しぶりの有望新興企業が登場した。

 コンピュータワールドによると、フレックス・ロジック(Flex Logic)は、FPGA(field-programmable gate arrays)と呼ばれる種類のチップを専門に開発するシリコン・バレー新興企業として関心を集めると同時に、クラウド・サーバーやクラウド・アプリケーションの稼働を効率化させると期待される。

 FPGAチップは、汎用プロセッサー(CPU)とは異なり、特定のアプリケーション向けにカスタマイズされる。チップ自体を改造せずに、プログラムによって制御できる設計が特徴。そのため、CPUのような万能性はないものの、特定のアプリケーションをより高速で処理できる。

 マイクロソフトでは、データ・センターのクラウド・サーバーにFPGAチップを採用し、検索エンジンであるビング(Bing)の検索を高速化させている。

 複数のFPGAチップ・メーカーがすでに登場しているが、フレックス・ロジックはいくつかの点で他社より有望視されている。

 まず、同社のFPGAは、一般的な網目(メッシュ)構造ではなく、すべてのロジック回路を中央のバスに接続させる階層(ヒエラルキー)構造にした。同社によると、それによってデータ転送を高速化できる。また、電力消費量を抑え、ソフトウェア更新も簡単にできる。

 フレックス・ロジックの事業モデルも差別化点と言える。同社の事業モデルは、チップを設計し、その設計をチップ・メーカーにライセンスするというもの。そのため、半導体製造工場を持つ必要がない。スマートフォン用省電力プロセッサー設計で成功した英ARMホールディングスと同じだ。

 フレックス・ロジックのジェフ・テイト最高経営責任者(CEO)は、「(ここ何十年か投資家らは)半導体企業への投資にほとんど関心を示さない」と語る。莫大な初期投資を必要とする工場を持たない事業モデルを採択した理由もそこにある。

 同社は今後、通信機器や通信網、サーバー、軍事関連機器市場向けにライセンスしていく考え。

 ただ、FPGAは汎用性が低いため、市場が限定されると指摘される。実際、半導体市場全体に占めるFPGA市場の規模は小さい。グランド・ヴュー・リサーチによると、2013年におけるFPGA市場規模は54億ドルだった。同市場は2020年までに99億ドルに達する見通しだ。

 一方、インテルは、FPGAを自社サーバー向けプロセッサー「ジーオン(Xeon)」に統合することを検討しており、新たな市場が登場する可能性も出てきている。

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