シリコン・バレー、農業向けITに注力 〜 新興企業が相次いで登場、VCも注目

 シリコン・バレーの起業家や投資家は、次なる有望市場として農業分野に注目している。農業市場では昨今、データ分析やクラウド電算、スマートフォン用アプリケーションと最新ITを駆使した製品が相次いで投入されている。

 フォーチュン誌によると、農業向けソフトウェアを開発するグラニュラー(Granular)は、アンドリーセン・ホロウィッツやグーグル・ベンチャーズ、コスラ・ベンチャーズといったシリコン・バレーの有力ベンチャー・キャピタル(VC)から総額1870万ドルを調達している。

 2014年に創業したグラニュラーは、水や肥料の量を制御することで、それらの節約や仕事効率化、収穫量の最大化を可能にするソフトウェアを開発している。同社の技術は、農場がどのように運営されているかを示すデータをリアルタイムで追跡し、より効果的な方法を提示する。それらのデータには在庫や予算も含まれる。

 グラニュラーは、ソルアム(Solum)という農業向けITを開発する会社から独立した企業だ。ソルアムは2009年に設立された。化学大手のモンサントがソルアムの土壌検査およびデータ技術部門を買収したことで、残ったソフトウェア部門がグラニュラーになった。

 グラニュラーは、米国の農地の3分の1を占める大規模農家を標的市場とする。

 グラニュラーのほかにも数十社の新興企業が同市場への参入を狙っている。それらの企業には、ファーマーズ・ビジネス・ネットワーク(Farmers Business Network)やファームリンク(FarmLink)、アダプト・エヌ(Adapt-N)、ファーマーズ・エッジ(Farmers Edge)、ファームログズ(FarmLogs)、アウェア(aWhere)、ファーマロン(Farmeron)、オンファーム(OnFarm)、アグラロジクス(Agralogics)、ブルー・リバー・テクノロジー(Blue River Technology)、プリシジョン・ホーク(Precision Hawk)がある。

 農家は昨今、灌漑用水や肥料のコスト削減に向けてIT活用に積極的になっている。干ばつによる水不足は今後さらに深刻になるとみられる一方、2050年に90億に達する世界人口の食糧を賄うためには、農作物の供給増が必要と指摘され、農業効率化のIT需要は高まると期待される。

 クリーンテック・グループによると、農業分野の新興企業が調達した投資は2013年から2014年に倍増した。2014年には151社が設立され、総額9億7600万ドルを調達している。その傾向は今後しばらく続くことが確実視される。

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