高級不動産大手、仮想現実で内見を可能に 〜 2〜3年以内の実用化を目指す
- 2015年9月10日
- ハイテク情報
高級不動産売買サービス大手のササビーズ・インターナショナル・リアルティー(Sotheby’s Internatonal Realty)は、高級物件を販促するために向こう2〜3年以内に、仮想現実(VR=virtual reality)によって内見できるシステムを導入する計画だ。
同社や、ほかの不動産大手の一部では、物件やその近辺を仮想現実ツアーによって下見できるサービスを富豪や有名人に試験的に提供している。2018年ころには、一般の富裕層もVR下見を活用できるようになる見込みだ。
フォーチュン誌によると、ササビーズ・インターナショナル・リアルティー傘下のマシュー・フッド・リアル・エステイト・グループ(Matthew Hood Real Estate Group)では、サムスン・ギアVR(Samsung Gear VR)を使って、ロサンゼルスとハンプトンズ(ニューヨーク市郊外)、ニューヨーク市の高級物件を仮想現実で紹介するサービスを最近開始した。
フッド氏は、高級物件をVR用にスキャンする場合のコストが300〜700ドルだと話す。不動産取引代理業者らは当初、ゴープロ(GoPro)のキャムコーダーを使って物件を二次元撮影し、それを潜在顧客に見せていた。
しかし、三次元スキャンで撮影してVR機器を使って再生すれば、あたかも現場を歩いているかのような仮想体験を潜在顧客に提供できることから、販促に役立つと考えて導入した、とフッド氏は話す。取引額が大きいため、数百ドルのコストによって販促効果が上がれば元は十分以上にとれる。
世界中の主要都市やリゾート地に支店を展開するササビーズ・インターナショナル・リアルティーでは、フッド氏のVR活用策をササビーズの営業網全体に拡張する計画だ。
そうすれば、フッド氏が仮想現実ツアー向けに3Dスキャンしたカリフォルニア州ヴェニスの700万ドルの豪邸のVR用データに、ササビーズのサンフランシスコ事務所がアクセスでき、シリコン・バレーの富豪たちに推奨物件を簡単かつ現実的に紹介できるようになる。
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