シエラネバダの雪塊量、500年ぶりの低水準

 カリフォルニアの重要な水源であるシエラネバダ山脈の雪塊量が、過去500年間で最低の水準に減少している。

 ロイター通信によると、英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジに掲載されたアリゾナ大学などの研究では、2015年4月1日にシエラネバダの観測地点108カ所の測定値から割り出した雪塊量は水に換算すると5.75センチで、20世紀後半の平均値のわずか5%しかなかった。1930〜2014年の平均は69.8センチ。過去の降雪記録やブルーオークなどの年輪を基にさらに長い期間で分析すると、今年は500年ぶりの低水準と推測されている。

 シエラネバダの高地の残雪は、加州の貯水池の補充で重要な役割を果たし、州の水供給の30%を支えている。研究論文は「この記録的な低水準は、12年以降農業から水力発電に至る州内のさまざまな分野で影響を与えている干ばつがいかに深刻かを表す」と指摘しており、今後も温暖化によって深刻な干ばつが起きる恐れがある。

 また、今年の雪の少なさは人為的な温暖化の影響が大きいとの見方もあるが、老木の年輪を調べると、16世紀には今年より雪が少なかった年が数回あったと推測される。

 世界の多くの場所では温暖化によって雪が減少している。国連の気候専門家委員会は、この原因を化石燃料の使用による排気ガスの増加と見ており、気温上昇が熱波や豪雨の増加および海面の上昇を引き起こしているという。環境保護局(EPA)によると、西部州の観測地点における4月の雪の量は1955年以降に平均約23%減少している。

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