景況感、3期ぶり悪化 中国減速で大企業製造業

 【共同】日銀が1日発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)は、代表的な指標である大企業製造業の業況判断指数(DI)が前回の6月調査から3ポイント下落のプラス12となり3四半期ぶりに悪化した。世界経済をけん引する中国など新興国の景気減速や株安が響いた。日銀は2015、16年度の物価見通しを下方修正する方向で検討に入った。

 3カ月後を示す先行きのDIは、2ポイント悪化の大企業製造業を含め、企業の規模や業種を問わず悪化した。経営者は慎重姿勢を強めている。安倍政権で進んだ円安は輸出企業の収益を改善させたが、小麦粉や乳製品など輸入品の価格上昇が家計に悪影響を及ぼしている。賃金の上昇が抑え込まれるデフレの悪循環に逆戻りすれば、経済再生で社会保障の充実を目指すアベノミクスのシナリオが破綻する可能性がある。

 大企業非製造業の最近のDIは2ポイント上昇のプラス25で4期連続改善し、バブル期直後の1991年11月調査以来の高水準となった。中国人観光客の「爆買い」など訪日外国人の消費拡大が追い風となっているが、先行きは6ポイント悪化した。

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