キヤノン、売上5兆円は射程内〜買収攻勢で事業拡張目指す

 カメラ、プリンターの世界最大手キヤノンは、買収による事業拡張を通じ、以前から掲げる年間売上高5兆円の目標達成を確実にする方針だ。

 ロイター通信によると、同社は5年ほど前から監視カメラ、産業用印刷、映画製作機器といった新しい市場に参入し、すでに世界トップに浮上しているが、今後はさらに関連市場での事業拡張を狙っている。

 御手洗冨士夫(みたらい・ふじお)会長兼社長はパリで15日まで開かれた「キャノンエキスポ」で、「ネットワークカメラやセキュリティ、ロボティクス、医療機器、インク・トナー・3D印刷用材料といった急成長する専門分野の企業買収に4億円以上を投じる準備がある」と語った。

 監視カメラ分野では、今年2月にスウェーデンのアクシス(AXIS)を3340億円で買収することで合意し、他のネットワーク・ビデオ事業と合わせて市場最大手となっている。キヤノンのプロ用カメラやレンズ事業は依然として堅調だが、スマートフォンの普及によるコンパクトカメラの利用減や写真の印刷需要の低下により、近年は一般向けカメラやプリンターの販売が大幅に減少している。

 御手洗氏は「過去4年間はカメラ事業の落ち込みを埋め合わせる方法を考えなければならなかった」と振り返った。しかし、業務用映像機器事業では、暗い場所でも使える小型カメラが、わずか5年前に参入したフィルム、TVシリーズ、ドキュメンタリー市場で60%のシェアを獲得するという成功を収め、現在は解像度の低いモノクロ映像で知られる公共監視カメラ市場を超高精細レンズを使って変革することを考えている。

 また今週は、15キロ離れた建物の壁面に表示された文字が読めるという超望遠レンズや、暗闇でも赤外線なしで人の顔を撮影できる夜間用防犯カメラの試作システムも発表した。

 5兆円の売上目標は、近年為替相場の変動で業績が大きな影響を受けたため、当初の10年までの達成を15年までに延長していたが、14年の売上高は3兆7300億円で、今年も3.5%増の3兆8600億円にとどまると見られている。

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