ロボット市場の好景気にみる5つの動向 〜 バンク・オブ・アメリカが報告

 ロボティクス業界は昨今、好景気を迎えており、その傾向はしばらく続く見通しだ。

 バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチ(Bank of America Merrill Lynch)によると、2014年における世界ロボット販売高は過去最高の107億ドルを記録し、向こう数年間は成長が持続すると予想される。

 フォーチュン誌では、バンク・オブ・アメリカの調査報告書をもとに、ロボティクス業界に関する5大傾向を次のようにまとめた。

1.ロボットの価格は低下、能力は上昇

 溶接ロボットの平均価格は2005年に18万2000ドルだったが、周囲の状況を認識できる機能を備えた高性能型溶接ロボットの平均価格は2014年に13万3000ドルだった。また、価格が10万ドルのロボットはこんにち、10年前のロボットの2倍の仕事量をこなすことができる。

2.中国が最大のロボット購入国

 中国は2014年に5万7000台のロボットを購入した。ロボット世界販売台数の約4分の1に相当すると同時に、2年連続の世界最大だ。中国では、産業ロボットの導入台数が工員1万人あたり35台。日本の300台、ドイツの385台に比べるとまだかなり少ないが急増している。

3.自動車業界が最大のロボット市場

 2010年以来、自動車製造業界はロボット導入数で最大の業界。2014年には、世界で販売されたロボット2台のうち1台近くは自動車製造工場に納品された。その背景には、工員の人件費抑制という狙いがある。米国の場合、溶接工の時給は25ドル近くだが、ロボットを使えば8ドルですむ。

4.ロボットは雇用機会を奪うか

 ロボットが雇用機会を奪うことは確実だが、それは職種や分野に左右され、また、ロボットによって創出される雇用機会もある。反復作業ではロボットが工員の職を奪うと予想され、それは自動車業界ですでに起きている。その一方で、ロボットによって反復作業から解放された人材が別の雇用機会に流れるため、一部の専門家らが主張する雇用危機ほど職が奪われるわけではないという議論もある。

5.若い世代は金融サービスをロボットに託す

 ロボティクスと人工知能の進化によって恩恵を受ける業界の一つが金融サービス(資産運用、資産管理、投資助言)だ。昨今、高級の資産管理専門家を雇うよりソフトウェア・アルゴリズムによる「ロボ分析家(robo-analysts)」を使うことに抵抗感を覚えない若い資産家が増えている。バンク・オブ・アメリカでは、運用資金25万ドル以下の顧客の口座を対象に、ソフトウェアによって各種の助言を提供するロボ助言者(robo-advisor)ソフトウェアを開発中だ。

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