アップル(Apple)やグーグル(Google)、マイクロソフト(Microsoft)、フェイスブック(Facebook)、ツイッター(Twitter)ほか57社の技術業界大手らは23日、サービスやシステムの暗号化を制限することが「悪者によって悪用されることにるながる」と共同で警告を表明した。
共同声明は、世界の技術大手62社が加盟する情報技術業界評議会(Information Technology Industry Council)が開いた会合で発表された。
技術業界は現在、パリ連続テロ攻撃の結果、インターネット・サービスに「裏扉(backdoor)」を設けることや、インターネット通信の暗号化に制約を設けることで、治安維持のための情報収集や捜査を簡便化できるよう各国政府がインターネット大手らに求めていることに対し、利用者データが危険にさらされる、と反発している。
米政府は、裏扉や暗号化制限があれば、テロ活動を早期に検出してテロ攻撃を防ぐことが可能になる、と主張している。
ガーディアン紙によると、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)はそれに対し、「裏扉はだれにとっても裏扉になる」と指摘し、利用者たちの個人データが盗まれる危険性が劇的に拡大する、と反論した。
「暗号化は、われわれの銀行口座や車載ITシステム、航空機の管制システムといったあらゆる社会基盤を犯罪者たちから守るきわめて重要な防御策であり、安全保障の砦だ」とクック氏は述べた。
英米を含む各国政府は、どのセキュリティー・サービスがインターネット上のやり取りを閲覧できるかに応じて、多種多様の暗号化を強化するセキュリティー・ソフトウェアに裏扉が設けられれば、インターネット・サービスやシステムの利用者データ全体を盗難の危険にさらすことなく、テロリストらの連絡や活動、計画を調べることができる、と訴えている。
しかし、情報技術業界評議会のディーン・ガーフィールド代表は、「暗号化を弱めたり裏扉を設けたりすることは、どんなに限定的に運用したとしても、犯罪機会を犯罪者たちに提供するのと同じこと」「その結果、われわれの社会と経済に対し深刻な物理的かつ金銭的な打撃を与える」と激しく反対した。
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