アップル(Apple)は21日、モバイル端末の技術特許に関して争ってきたエリクソン(Ericsson)に特許使用料を払うことに合意した。
エリクソンは、モバイル通信の標準と化した技術の特許をいくつも取得している。その代表的存在には、GSMや3G標準のUMTS、4G標準のLTEが含まれる。
エリクソンは、モバイル通信技術特許を端末メーカーらにライセンスしている。
アップルもエリクソンの特許技術を使ってきた。両社は、その契約が2014年末に失効したため更新しようしたが、交渉が決裂し、さらに、米国内で互いを提訴して訴訟合戦となった。
PCワールドによると、アップルは、エリクソンが指摘する重要な特許を侵害していないと主張したが、エリクソンは、標準規格となったエリクソンの一連の特許の使用料を払う義務がアップルにある、と主張した。
エリクソンはその後、アップルに対する7件のあらたな裁判を起こすと同時に、2Gと3G、そして4Gに関する特許がアップル製品によって侵害されたと米国際貿易委員会(ITC=U.S. International Trade Commission)に訴えた。
エリクソンは、連邦地裁とITCに対し、アップルが特許使用料を全額支払うまですべてのアイフォーンとアイパッドの販売差し止め判断を要請した。
しかし、両社は21日、訴えを互いに取り下げ、相互特許使用合意に署名したことで和解した。合意内容は非公表だが、両社は米国と英国、ドイツ、オランダでのすべての特許訴訟を取り下げ、特許使用合意が成立していなかった期間に関する分でアップルがエリクソンに使用料を払い、それぞれの特許を相互供与することで和解したとみられる。
業界専門家によると、2015年におけるエリクソンの知的財産権収入は約164億ドルだと見積もられる。
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