米利上げ、3月見送りか FRB議長、市場混乱懸念 

 米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は10日、議会下院の金融委員会での証言で金融市場の混乱に懸念を示し「景気回復が期待外れならば利上げをよりゆっくりとしたペースにするのが適切」と述べた。日銀が導入を決めたマイナス金利の採用には消極的な考えを示した。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げは見送られるとの観測から、11日の為替市場で円相場が急騰した。

 イエレン氏は、株価下落や著しいドル高で「米国内の金融環境は厳しくなり、経済成長への貢献度が低下した」と指摘。中国の通貨、人民元の下落が中国経済の先行き不安を高め、原油などの価格下落や世界的な市場混乱につながったと分析し「景気の先行きは不透明で、海外経済の動向がリスクだ」とも指摘した。

 FRBは昨年12月に7年間続けた事実上のゼロ金利を終え、政策金利を引き上げた。今年中に追加利上げを4回実施する方針を示唆してきた。イエレン氏は「近く利下げが必要になるとは考えていない」とし、引き続き利上げのタイミングを慎重に探ると説明した。(共同)

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