重点は危機対応から財政再建に ガイトナー財務長官が退任

 【共同】オバマ政権発足当初からの経済閣僚チームの中心メンバーで、金融規制改革に尽力したガイトナー財務長官が25日付で退任した。後任には税財政に精通するルー大統領首席補佐官が指名されており、ホワイトハウスの経済政策の重点が、金融危機の後始末や景気回復促進から連邦財政の再建に移りつつあることを象徴している。金融危機が深刻化する過程でニューヨーク連邦準備銀行の総裁から財務長官に転じ、火消し役として最前線に立ったガイトナー氏の退任は、大恐慌以来といわれた最悪の経済危機の沈静化に向け、財務省と連邦準備制度が史上まれにみる緊密な連携関係を続けた一時代の終わりも意味する。

 ガイトナー氏はジョンズホプキンス大で国際経済学の修士号を取得。1988年に米財務省に入り、クリントン政権で国際担当の財務次官補から国際担当の財務次官に昇格し、ルービン、サマーズの両長官に仕えた。97年のアジア通貨危機を受けて市場の安定化に取り組み、日本に対しては不良債権処理の重要性を指摘した。その後、国際通貨基金(IMF)勤務を経て、2003年にニューヨーク連銀総裁に就任した。

 ニューヨーク連銀総裁としては、08年の証券大手ベアー・スターンズやリーマン・ブラザーズの経営破綻、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の経営難を受けた政府救済策を指揮。早くから金融危機のリスクに注目しており、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事詳録によると、連邦準備制度(FRB)が金融緩和に政策転換する直前の07年8月の定例会合の段階で、既に「金融機関が相次いで破綻する可能性」があると警告。経済成長に及ぼす影響を見極めるまで政策転換を待つべきだとする他のメンバーに対し「そのような態度を取れば必ずや手遅れになるだろう」と迅速な対処を促した。

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