炭素繊維コストを半減する技術を開発 〜 米国立研究所、商業化提携先を模索

 オーク・リッジ国立研究所(テネシー州オーク・リッジ拠点)は、工業用カーボン・ファイバー(炭素繊維)の製造コストを大幅に引き下げる製造方法を開発した。車をはじめ、カーボン・ファイバーの用途を拡大する可能性が期待される。

 ノックスヴィル・ニュース・センティネル紙によると、同国立研究所の技術移転責任者は先日、その新しい製造方法の商業使用ライセンスに興味がある企業からの申し込みを受け付けると発表した。

 カーボン・ファイバーは製造コストが高いために、幅広い用途で大量に使われることはこれまでほとんどなかった。

 連邦事業機会(Federal Business Opportunities)のウェブサイトに掲載された通達によると、「その新しい工程を分析したところ、材料、エネルギー、資本、人件費を大幅に削減し、全体的な製造コストを最大50%削減できることが明らかになった」。

 低コストのカーボン・ファイバーは、これまでどおり車に使えるほか、合成素材の材料として「風力タービンや圧縮ガス貯蔵タンクを含め、多数のクリーン・エネルギー技術にも応用できる」。

 当面は、見た目の美しさが求められる用途ではなく、構造物に使われる可能性が高い。見た目に洗練されたカーボン・ファイバーは、依然として製造が難しく、コストが高くなるためだ。

 オーク・リッジ国立研究所では、その製造工程を商業化するために3〜5社の提携先を探している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る