石油大手エクソン・モービル(Exxon Mobil、テキサス州)と燃料電池大手フュエルセル・エナジー(FuelCell Energy、コネティカット州)は、発電所が排出する二酸化炭素(CO2)をより低コストで回収する技術を共同開発する。
AP通信によると、両社は、炭酸塩型燃料電池を使って発電しながらCO2を回収する技術の開発に取り組む。成功すれば石炭および天然ガス火力発電所に応用できるという。
エクソンは、石油事業の気候変動リスクを控えめに公表して投資家や一般市民を欺いたとして複数州で当局の調査対象になっており、気候変動を引き起こす最も一般的な温室効果ガス(GHG)と言われるCO2の削減は、同社にとって注意を要する問題だ。
発電所から出るCO2の大量回収は、化石燃料業界にとって長年の課題で、米国などではこれまでにいくつかの試験事業が行われたが、コストの問題もあって望ましい成果が上がっていない。環境保護派からは「その資金をクリーンな再生可能エネルギー発電に投じるべき」との意見も出ている。
今回の共同事業には、エクソンから10〜15人、フュエルセルから15〜20人の科学者が参加する予定。
エクソンは2015年に700万トン近くのCO2を回収したと発表しているが、国際エネルギー機関(IEA)の統計によるとこれは世界のCO2排出量の1000分の1にも達しない。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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