リオの場末に高級食堂設営〜有名シェフ、ホームレス向けに

 夏季オリンピック大会開催中のリオデジャネイロで、有名シェフらがホームレスのための高級スープキッチン(簡易食堂)「レフェットリオ・ガストロモティバ」を開設し、見かけが悪いといった理由で使われない食品を材料に毎晩腕を振るっている。
 
 米公共放送NPRによると、発案者はイタリアでミシュラン・ガイド3つ星評価のレストラン「オステリア・フランチェスカーナ」を経営する有名シェフのマシモ・ボトゥラ氏。慈善活動ではなく文化事業として、一流の建築家、アーティスト、デザイナーなども巻き込んだ美と文化にあふれた食を楽しむ場を作り上げている。
 
 ボトゥラ氏は「このプロジェクトで最も大事な事の1つは尊厳の回復だ。ただおいしい食事を出すだけではない」という。食堂の場所は五輪会場から遠く離れた地域の廃屋だが、テーブルといすはブラジルの有名デザイナーであるカンパーナ兄弟 、チョコレートが滴る最後の晩餐を描いた壁画は、作品に数十万ドルもの値がつくサンパウロのアーティスト、ビク・ムニーズ氏が制作した。
 
 料理を担当する有名シェフは毎晩入れ替わり、その日に寄付された材料を使ってできるだけ素晴らしい料理を作るという課題に挑戦している。
 
 レフェットリオ・ガストロモティバにはリオ中のレストランが協力しており、五輪関連の組織からも多量の材料が寄付されている。毎晩準備する食事は70人分で、比較的小規模なこともあって高級レストランで食事をするような雰囲気を味わえる。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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