シスコ、脱通信機器依存に注力

 通信機器製造販売最大手のシスコ・システムズ(Cisco Systems)は、ソフトウェア事業の拡大に注力している。

 開始してほぼ2年になる同社の事業再編計画には、ソフトウェア事業とクラウド電算、仮想化、そしてソフトウェア定義通信網(software-defined networking)という分野の強化が盛り込まれている。

 同社は過去18ヵ月で約70億ドルを投じて14社を買収。そのうち13件がソフトウェアかクラウド技術の関連企業だ。

 インベスターズ・ビジネス・デイリーによると、シスコは情報技術(IT)サービスの総合商社化を目指しており、なかでもソフトウェア事業に重点を置いている、と調査会社ガートナーのアンドリュー・バトラー氏は指摘する。

 1月26日締めの直近四半期の決算では、ルーター売上高が前年同期比で約6%減少し、スイッチ売上高はわずか2.8%の増加にとどまっており、本業の通信機器事業は低迷。総売上高は5%増であることからも、通信機器部門の成長鈍化が際立った。

 シスコは1月にもイスラエルのイントゥセル(Intucell)と、チェコ共和国のコグニティブ・セキュリティ(Cognitive Security)を買収する合意が成立したことを発表したばかり。

 イントゥセルはモバイル通信事業者向けソフトウェア開発会社で、コグニティブはサイバー攻撃からコンピュータ通信網を保護するためのソフトウェア開発会社。

 業界専門家らは、シスコが今後も中小ソフトウェア会社の買収を続け、IT総合商社化に向けた製品拡充を図ると予想する。

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