2026年に予想される人材資源管理のあり方 〜 3人の業界専門家、監視技術と人工知能、HRの戦略的価値を指摘

会社らの人材資源(human resources=HR)管理を取り巻く環境や技術活用法が急速に変化するなか、HR責任者たちが2026年に直面する課題や機会について、専門家3人がそれぞれの見方を示した。

HRマガジンによると、それらはおもに従業員監視技術の高度化や人工知能のさらなる活用本格化、そして経営陣におけるHRの戦略的価値の高まりに集約される。

在宅勤務やハイブリッド勤務(遠隔労働と出社の混合)の浸透と定着を背景に、生産性を測定するツールや、いわゆる「ボスウェア(bossware)」と呼ばれる従業員監視ソフトウェアの活用は2026年に一段と高度化すると見込まれる。

サルフォード経営大学院(Salford Business School)のジョナサン・ロード上級講師はそういった技術について、「職場における信頼や尊厳、権力関係に直接影響するため、運用やあつかいを誤れば効率向上以上に文化的損失が大きくなる」と警鐘を鳴らした。

監視ツールは、大規模の個人データ処理をともなうことが多く、法的かつ企業評判上のリスクも高い。アルゴリズム管理への政治的監視も強まっている。明確な事業上の必要性を示し、データ保護影響評価を実施し、従業員や労組と早期に協議する重要性を英国の情報コミッショナー事務局(ICO)は強調した。

一方、顧客反応(意見、評価)管理会社ハッピーオアノット(HappyOrNot)のミーカ・マキータローCEOは、2026年には人工知能が「試す段階」から「成果を左右する段階」へ移行する年になると予想する。

2025年が人工知能ツール理解の年だったのに対し、今後は人工知能を日常業務に組み込み、確信を持って使いこなせる人材が、迅速性や意思決定、成果の質において優位に立つ、と同氏は話した。

そのためには、入門的な職能研修にとどまらず、職種別の継続的な能力開発や、人工知能活用に関する明確な期待値の設定、現場を指導できる管理職の育成が不可欠だと同氏は指摘する。「組織全体における人工知能能力を高められなければ、経験豊富な人材がいても競争力を失う」と同氏は述べた。

かたや、コンサルティング会社イマジン(emagine)のエリザベス・ウォレス最高人材&変革責任者は、2026年にHRが経営の中核機能としての役割りを一段と強めると予想する。同氏によると、経営陣は近年、HRに対し事業成果への貢献をより明確に求めるようになっている。

「HRは、人工知能から得られるデータをもとに、成長にどう影響をあたえるかを示さなければならない」と同氏は指摘する。同氏によると、HRデータを売り上げや生産性と結びつけることで、商業的影響を可視化し、課題修正にもつなげられる。

データ活用の進化と高度化によって、HRは従業員意識の測定にとどまらず、企業成長を直接牽引する存在へと進化していくことから、HRはCEOやCFO、COOといった各社の最高責任者たちを含む経営陣の問題として重要性が高まり続ける、とウォレス氏はみている。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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