シャワーや洗濯の排水を再生利用してビールを生産 〜 エピック・クリーンテックの冒険的事業、水循環に革命か

サンフランシスコ拠点の気候変動対策技術新興企業エピック・クリーンテック(Epic Cleantec)は、シャワーや洗濯で使った水を再生してビールをつくるという奇抜かつ冒険的な事業に取り組んでいる。

CNBCによると、2015年創業の同社はこれまで、オフィス・ビルやアパートの排水を独自技術によって浄化および再生利用する事業を展開してきた。同社のアーロン・タルタコフスキーCEOは、そこからさらに一歩踏み込み、再生水を使ったビールの生産を事業化した。

「再生水という概念に人々を慣れさせることが重要だ。水がきれいだと説明しても、信じてもらえるかどうかわからない」「しかし、まったく同じ再生水の分子をおいしいビール缶に入れると、人々は突然、抵抗感をいだかなくなる」「結局は心理的な問題だった」と同氏は話す。

エピックのシステムは、シャワーと洗濯から使用済みの水を回収して、フィルターや生物処理、膜ろ過、粒状活性炭、逆浸透膜、消毒といったありとあらゆる処理工程を経て浄化する。浄化された水は、ビール製造会社デヴィルズ・キャニオン・ブルーイング(Devil’s Canyon Brewing)に送られ、ビールに生まれ変わる。

エピックのビールは現在、カリフォルニア州やバージニア州、オレゴン州を含む12の州とワシントンDCでオンライン注文できる。カリフォルニア州内では一部の小売店でも販売されている。

ビール1ガロンの製造には約10ガロンの水が必要だ。そのため、再生水の使用は水資源に大きな影響をあたえる。エピックのIPAビールは、干ばつに強く省エネルギーのホップや穀物、酵母を使っており、原料から製品まで環境への配慮が徹底されている。

タルタコフスキー氏は同事業について、「これはビールの話しではない」と強調する。「地球上の建物は、地球にある淡水の約15%を使っている」「われわれはものごとを違う方法で行う必要があり、それが実現可能であることを伝える必要がある」と同氏は訴えている。

同社はこれまで、JベンチャースやJインパクト、エコー・リヴァー・キャピタルからの投資を受けている。これまでの資金調達総額は2500万ドルに達する。

エピックは現在、シャワー・アワーIPA(Shower Hour IPA)とランドリー・クラブ・ケルシュ(Laundry Club Kölsch)という2種類のビールを提供している。同社はまた、ノンアルコール・ビールの製造も検討中だ。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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