北米の多くの倉庫では容量の能力の限界に近づきつつある。
マニュファクチャリング・グローバルによると、ロイター・イヴェンツ(Reuters Events)が実施した調査では、調査に応じた273の倉庫運営会社のうち、50%は倉庫能力の90%またはそれ以上で運営しており、13%はそれが100%を超えている、と回答した。
倉庫需要の緩和兆候はみられないため、倉庫空間の逼迫がさらに深刻化する可能性が高い。それに加えて、作業員不足と倉庫家賃および倉庫設備のコスト上昇という問題も顕在化している。
最大の要因は、電子商取引(オンライン販売)量の継続的増加だ。特に2020年は、新型コロナウイルス・パンデミックを受けた外出制限や接触回避によって、オンライン購入が急増した。ロイターの調べでは、調査した小売会社らの64%が二桁以上の成長を記録した。
そのため、オンライン受注処理センター(倉庫や配送センター)の一部では、居住地域内に配送センターを増設する選択肢も検討しているが、地域住民らが交通量や騒音、公害の悪化を理由に反対しており、倉庫増設も難航している。
物流サービス会社のプロロジスによると、旺盛なオンライン販売需要がこのまま続けば、米国は1億4000万平方フィートの倉庫空間の不足に直面する。そのため、同社のメリンダ・マクラーフリン副社長は、倉庫の回転率を自動化によって上げて処理能力を強めるしかない、と指摘する。
その代表的ソリューションは、いわゆるイーフルフィルメント(e-fulfilment)運営だ。イーフルフィルメントは、一般的には、オンライン受注から配送トラックまたはバンへの積み込みまでの一連の作業(処理)過程をほとんど自動化する包括的システムだ。機械視認による商品特定から、特定された商品を取り出して箱に入れて発送準備をする場所まで運ぶ自動化システム、そして、特定の荷物を特定のバンまたはトラックの荷台に積み込む作業まで、配達先住所および箱の密閉確認以外の大部分を機械化することだ。
倉庫空間と作業員の確保が非常に難しくなったいま、需要と、求められる質に対応するには、ほぼ完全に自動化する以外に方法はない、とマクラーフリン氏は強調した。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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