ティックトック(TikTok)での短編動画投稿者らの一部がスターとなって、米国の大企業のCEOたちの報酬をはるかに上回るほど稼いでいる。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、フォーブス誌は先日、2021年にもっとも稼いだティックトック・スターたちを番付けし、その結果、踊る動画をティックトックに2019年に投稿し始めたシャーリー・デミーリオさんがフォロワー数1億3300万人を集め、2021年に1750万ドルを稼ぎ出した、と発表した。デミーリオさんは、大きなフォロワー数を武器に、アパレル・ブランドとの提携による動画での広告や商品宣伝の報酬として巨額収入を得た。
一方、マイログアイキュー(MyLogIQ)のデータをウォール・ストリート・ジャーナルが分析したところ、S&P500社のCEOらの給与中央値は2020年に1340万ドルだった。
デミーリオさんの稼いだ額は、エクソンモービルのダレン・ウッズCEOの1560万ドル(2020年)や、スターバックスのケヴィン・ジョンソンCEOの1470万ドル、デルタ航空のエド・バスティアンCEOの1310万ドル、マクドナルドのクリス・ケンプチンスキーCEOの1080万ドルを上回る。
ティックトック・スターたちの報酬は、ティックトックの急成長とともに急騰している。フォーブスのデータによると、ティックトック動画の高額収入投稿者上位7人は、2021年に計5550万ドルを稼ぎ、前年比200%増を記録した。おもな広告主には、アマゾンやルイ・ヴィトン、マクドナルド、オリオ、ソニー、そのほか多くの世界的ブランド大企業がある。
ティックトックでの高額所得者らは広告収入のほかに、消費者向けブランド会社らとの契約による報酬を得ている。ダンキンの場合、デミーリオさんが若者たちのあいだで絶大なる人気を得ていることを知った2020年にデミーリオさんと契約し、「シャーリー・デミーリオ」という商品名の飲みものを発売した。
デミーリオさんはさらにテレビ業界にも進出し、彼女の姉のディキシーさんと一緒に「デミーリオ・ショー」という冠番組を持ち、フールーで逐次配信し始めた。デミーリオ姉妹はそれを機に、アバークロンビー・アンド・フィッチ傘下のホリスター・ブランドと契約し、ソーシャル・ツーリストという新ブランドを立ち上げた。ソーシャル・ツーリストの広告はフールーで9000万回再生されている。
ディキシーさんは、フォーブスの同番付けで妹に次ぐ2位になっている。ディキシーのフォロワー数は5700万人で、収入は1000万ドルだ。
2021年にもっとも稼いだティックトック投稿者上位7人
1位 シャーリー・デミーリオ(17歳)■■■■■■■■■■■■ 1750万ドル
2位 ディキシー・デミーリオ(20歳)■■■■■■■ 1000万ドル
3位 アディソン・レイ(21歳)■■■■■ 850万ドル
4位 ベラ・ポーチ(24歳)■■■ 500万ドル
4位 ジョシュ・リチャーズ(19歳)■■■ 500万ドル
6位 クリス・コリンズ(25歳)■■ 475万ドル
6位 アヴァーニ・グレッグ(18歳)■■ 475万ドル
膨大な数のフォロワー数を持つティックトック・スターになると、広告出稿あたり最大50万ドルの料金を稼げる。平均的な広告料金は1回あたり10万~25万ドルとみられる。
ティックトックの高所得者らの大部分は、ティックトック動画でのイン・アップ(アプリケーション内)広告やブランド大手らとの契約のほか、ユーチューブや動画配信プラットフォーム会社の番組出演、レコード・レイベル会社との歌手契約、トーク番組出演といった活動でも契約金や出演料を稼いでいる。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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