次世代スマート・グリッドのプラットフォーム
- 2013年3月19日
- 米国ビジネス
IBMはテキサス州のセンターポイント・エネルギー(CenterPoint Energy)と協力して、「次世代のスマート・グリッドを実現するプラットフォーム」と銘打たれた顧客管理用プラットフォームを構築している。
第一世代のスマート・グリッドは、導入開始から10年近くになるスマート・メーターの活用を中心とした構想に基づいている。スマート・メーターによって取得される情報を見て、一般の人々が省エネや電気代節約に努めるという仮定に基づいたプラットフォームだ。
しかし、その構想は、効果的に現実化したかと問われれば、実現されたとは言い切れない。利用者が主体となる情報処理は、電力の使用状況や市場の透明性に対して期待された効果を生むことはなかった。
グリーンテック・メディアによると、その一方で、この2〜3年の間に電算コストが低下し、モバイル通信やデータ収集がはるかに容易になったことを受けて、公益会社は、生成される情報をリアルタイムで分析して対応することに意義を見出しつつある。それが、次世代のスマート・グリッド構想を形成している。
IBMのグローバル・ビジネス・サービシズ部門副社長マイケル・バローチ氏は、グローバル・インテリジェント・ユーティリティ・ネットワーク連盟(Global Intelligent Utility Network Coalition)が主催した会合に出席し、「カスタマー・ビジョン・プラットフォーム(Customer Vision Platform)」と呼ばれるプラットフォームをセンターポイントと共同開発中であり、「平常時に顧客との連絡方法を向上させるだけでなく、停電時の対応やサービス通知も簡略化できる」と説明。
そのプラットフォームの中心となるのが、大規模データ(Big Data)の収集および処理技術だ。それによって、顧客の各種設定や電力使用動向を即座に反映して、顧客が選択する方法で連絡を取れるようにする。
その結果、顧客サービス担当のコール・センターだけを連絡経路とするのではなく、取得した情報をすぐに顧客に流すことができるようになる。
「この種のソリューションは、サービスを型にはめるものではない」「顧客のセグメント化を超える次なる世代のサービスだ」とバローチ氏は話している。
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