人工知能がいずれは在宅医療や高齢者介護の重要な一部に ~ 米国人の10人に7人弱が緊急時に使うと予想

米国人が人工知能の効果的用途として有望視している分野の一つに、在宅医療や高齢者長期介護を考えていることが、最新の調査で明らかになった。

インヴェストピディア誌によると、米全国退職支援機構長期介護(NationwideRetirement Institute Long-Term Care)と米生命保険販売&研究協会(LifeInsurance Marketing and Research Association=LIMRA)の調査では、ミレニアル世代(1980年代序盤から1990年代中盤までに生まれた世代)の半数以上が、老後には掃除や身だしなみといった日常生活から会話の相手までさまざまの役割りを人工知能やロボットが果たすと考えていることがわかった。

同調査によると、10人に7人近くが、身体的に危険な状態や転倒した場合に家族や友人に即時通知するために人工知能ツールを使うと回答した。そのなかには、高齢者介護のための人工知能への信頼度がもっとも低い世代である団塊世代(1946年から1964年に生まれた世代)の63%も含まれている。

ミレニアル世代の58%は、人工知能やロボティクスが高齢者の長期介護サービスを提供するだろうと予想する一方、それらの技術が自身の老後の介護手段の一部になるという見方は17%にとどまった。

全体としては、回答者の3分の1は、人工知能やロボティクスが在宅介護を提供するという見方に同調するが、3分の2は人間による介護を望むとも答えている。

米保険大手ネイションワイド(Nationwide)では、移動に問題を抱える一部の契約者の自宅に「高齢者介護ロボット」をすでに試験的に導入している。その目的は、ロボットが顧客(保険加入者)の高齢化にともなって、自宅での自立生活をロボットの助けによってどれほど維持できるかを検証するためだ。

人工知能やロボティクスは、トイレや着替えのような日常生活の支援を含め、飲食や薬の服用、そのほかの大事なことを助けると期待される。それ以外にも、人工知能ロボットが話し相手になると回答した割り合いは32%、自分の病歴や健康状態を共有して健康管理上の必要性を人工知能やロボットが支援すると答えた割り合いは48%にのぼった。

人工知能を使って高齢者と会話する音声操作の交流ロボット「エリック(ElliQ)」のメーカーであるイントゥイション・ロボティクス(Intuition Robotics)は、エリックが高齢者の孤独感を80%軽減することが実証されたと報告した。

そのほか、ジュネーブの研究者たちは、人間のような身振り手振りや反応を実現した人工知能ロボット「ネイディーン(Nadine)」を開発した。ネイディーンは、病人や高齢者と対話するように設計されている。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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