赤の広場に巨大ヴィトン 商業利用、景観悪化に批判

 【共同】モスクワ中心部「赤の広場」に、高級ブランド、ルイ・ヴィトンの「巨大スーツケース」が出現した。高さ9メートル、幅30メートルの大きな箱は、来月から始まる同ブランドのバッグを紹介するイベントのパビリオン。しかし、市民らからは、世界遺産で「ロシアの顔」ともいえる名所を商業利用し、景観を損ねていると批判の声が上がっている。

 広場に入る門をくぐると、茶色の地に同ブランドのロゴマークなどをちりばめたパビリオンが目に飛び込む。これまでは広場を囲むクレムリンの壁やレーニン廟、ネギ坊主のような屋根を載せた教会を一望できた。

 「ロシアにとって大切な場所を、金もうけに使うなんて」と地元の主婦ナターシャさん(52)は憤る。批判はレーニンを崇拝する共産党からも、愛国的な与党からも上がっており、政府・自治体の監視機関もパビリオンの設置許可を問題視する決議を出すことを検討している。

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