返品減らしであの手この手〜オンライン小売店
- 2013年12月23日
- 米国ビジネス
送料無料サービスや返品への寛大方針がオンライン販売市場の伸びに貢献しているが、大量の返品は営業コストに響くため、店側は返品を減らす努力を強めている。具体的には、返品の多い客には過去の購入履歴を示して服などの正しいサイズを選ばせたり、届いた商品が傷んでいた場合は値引きして返品を思いとどまらせたりしている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、インターネット通販商品の3分の1は返品されているといわれ、宅配大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は「今年は前年比で15%増加する」と予想している。特に年末商戦期は返品の量も最大になるため、何らかの対策を試みる店が増えている。
格安ファッションのルー・ララ(Rue La La)は、客が個人の購入履歴や顧客全体のサイズ情報にアクセスできるプログラムを試験導入している。同じブランドの服をいつもSとMの2サイズ注文する客には、次に同じような発注をしようとすると「過去5回の注文で最終的にお買い上げになったのはMサイズですが、今回Sサイズもオーダーしますか?」といったメッセージが表示される。
スティーブ・デービス最高経営責任者(CEO)は「中には『Lサイズを買われては?』と言われて気を悪くする人もいるかも知れないが、顧客から否定的な声は届いていない」という。同社は2012年に約5億ドルを売り上げたが、返品の対応で発生したコストが500万ドルに上った。
一般的にオンライン小売店はリピート客を狙って発送品に値引きクーポンを添えているが、返品の多い客には値引き率を減らす、または比較的返品が少ない化粧品やジュエリー用のクーポンを入れることもある。さらに、服や靴を一度使った後に返品する「ワードローバー」や、最初から買う気はなく自宅で試着するだけの目的で注文する客などを追跡している店もある。
一方、オンライン小売り最大手のアマゾンは、届いた商品に多少の傷がある場合などに、そのまま受け取れば値引きやギフトカードを提供するといった申し出をしている。
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