孫社長、Tモバイル買収意欲を改めて明示 〜 米テレビ番組の取材で強調

 米携帯電話サービス3位スプリントの会長を務めるソフトバンク社長の孫正義氏は、米国の有名ジャーナリストであるチャーリー・ローズ氏によるテレビ・インタビューで、業界4位のTモバイルUSに対する買収意欲を改めて明らかにした。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、スプリントとTモバイルとの正式合意はまだなく、詳細はこれから詰められることになるが、「Tモバイルを買収できれば、市場最大手のベライゾンズおよびAT&Tとの競争に必要な規模の拡大につながる」という考えを同氏は示した。

 実現の可能性に関しては「分からない」が「挑戦してみる必要がある」と同氏は述べた。

 孫氏の経営するソフトバンクは、2013年にスプリントを買収し、国際展開を積極化させている。

 スプリントやTモバイルの幹部も、「ベライゾンとAT&Tに対抗できる強い競合社を作るために、管轄当局はスプリントとTモバイルの合併を認めるべき」といった発言をしている。

 関係者の話によると、孫氏はスプリントの買収時からTモバイルの買収を視野に入れていた。スプリントはTモバイル買収に向けた融資獲得に関する財務情報を金融機関にすでに打診しているほか、孫氏も今年に入ってから、独占禁止法の関係者に打診している。

 米国の司法省と連邦通信委員会(FCC)は、「4社による事業展開の現状を好感しており」、両社の合併について「懐疑的」な見方を示している。

 孫氏は今週、ワシントンDCの商工会議所で、超高速無線通信網の有益性や、スプリントとAT&Tが合併することでもたらされる健全な市場競争に関し講演する予定だ。

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