「野生のウサギがハイになる」〜連邦捜査官、大麻合法化に反対
- 2015年3月25日
- アメリカ発ニュース
医療用マリフアナ(大麻)の合法化法案を審議しているユタ州議会でこのほど公聴会が開かれ、連邦の取り締まり当局者が「解禁すれば野生のウサギが悪影響を受ける」として反対する証言を行った。
クリスチャン・サイエンス・モニターによると、連邦麻薬取締局(DEA)ユタ州事務所の大麻根絶班で特別捜査官を務めるマット・フェアバンクス氏は今月上旬、州上院委員会で「大麻の大規模栽培は環境に悪影響を与える」と主張。これまで大麻の不法栽培を取り締まってきた経験から、山全体に有害な農薬を使い、森林を伐採して、土地を劣化させた例もあったと指摘した。
フェアバンクス氏は証言で、不法栽培地では大麻の味を覚えたウサギが人を見ても逃げなくなり、畑の大麻を処分した後もウサギは逃走本能を失っていたと述べた。
大麻の違法栽培が環境に影響を与える可能性はあり、連邦森林局(FS)によるとカリフォルニアでは2012年、州内の公有林の300カ所以上で大麻が違法に栽培され、プラスチックのホース30万フィート以上、肥料約1万9000ポンド、ごみ18万ポンドが見つかっている。ただ、これを報じたハイ・カントリー・ニューズの記事は「問題は何が栽培されるかではなく、不法侵入の増加で自然環境が損なわれることだ」と指摘している。
ウサギへの大麻の影響に関して、米国動物虐待防止協会(ASPCA)は「ペットには良くない可能性があり、意識の高い飼い主なら望まないような影響を及ぼす危険性がある」と見ている。実際に大麻の味を覚えた野生動物の例として、オレゴン州ではマリフアナを食べるシカが「シュガーボブ」として知られている。
ユタの上院委員会は結局、3対2の賛成多数で大麻合法化法案を本会議に送ることを決めた。上院で可決されると、ユタは医療用大麻を合法化する24番目の州となる。
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