原始時代に戻って健康になる
パレオダイエットとは?
- 2017年2月2日
- 2017年2月号掲載
Health
健康に関する最新のトピックスや、話題の健康法の体験レポートをお届けする。

食物は加工せず
添加物もなし
ここ数年、「新しくて古いダイエット法」と呼ばれ、注目を集めているのがパレオダイエットだ。別名「ケーブマン(洞窟人)ダイエット」。コンセプトは、石器時代の食生活に立ち返ることがヘルシーな食生活につながるというものだ。
パレオダイエットのベースとなる食物は果物と野菜、肉、魚介に木の実である。「The Paleo Diet」の著者でコロラド州立大学教授のローレン・コーデイン博士は「これらの栄養面でのガイドラインを遵守することで、私たちの食生活をポジティブに変化させることができる」と語る。
では具体的に何を食べればいいか? まず、新鮮な果物、野菜と肉。祖先たちがそうしたように大地から収穫される食料をそのまま摂取するのが基本。加工はせず、添加物も加えない。前出のコーデイン博士は「極力、オーガニックな食品を取り入れるように」とアドバイスしている。
パレオダイエットを実践することはイコール、瓶詰めや袋詰めされた食品を避けるということでもある。石器時代には穀物、乳製品、塩を加えた食品は存在しなかったからだ。ジャガイモもパレオダイエットではアウトロー扱いされることが多いが、エクササイズをするという条件で取り入れてもいいという意見もある。
アルコールと蜂蜜も基本はNGだが、赤ワインは例外。また相対的な捉え方で、蜂蜜は漂白された砂糖や人工甘味料に比べれば使用可能だと言われている。
運動も重要
肉を食べたら野菜も同じだけ
「パレオダイエットは食生活だけの問題ではない。ライフスタイルである」とコーデイン博士は強調する。「何千年も前の人々が実践していた暮らし方そのものが、パレオダイエット。この方法によって目標体重を達成したからとすぐに止めてしまうようなものではない。生涯にわたって取り組んでいくべきだ」
また、石器時代の人々は生き残るために俊敏な運動能力を身につけ、実際に激しく動き回っていた。1日に4000カロリー以上を必要としたという試算もある。パレオダイエットでもただ新鮮な野菜や果物を摂取するだけでなく運動も必要不可欠な要素だとしている。
ただし、祖先の食生活を完全に再現するのは非現実的だ、ということも知っておきたい。彼らは野生の牛や鶏を捕獲することはしなかった。彼らが口にしたのは猟鳥類、鹿、バッファロー、そして私たちが耳にしたこともないかもしれない動物だ。それらの肉質は極めて低脂肪で、現在口にできる肉よりも豊富にオメガ3を含んでいたはずだ。
また、パレオダイエットで重要なのは、野菜と肉の割合である。ステーキを食べたら、それと同カロリーのサラダを食べなければならない。しかし、人々はそれを認識せずに肉を食べ過ぎてしまう傾向がある。タンパク質を過剰に摂取する一方で炭水化物を十分に摂取していない場合は、肝臓障害を引き起こす可能性がある。さらに、現在の肉は昔の肉よりも飽和脂肪酸を過剰に含んでいるために、摂取し過ぎると心臓病のリスクも高める。
人々の食生活が贅沢になったことの副作用として慢性疾患を抱えるようになったとの考え方の上に立つ、このパレオダイエット。健康的に体質を改善できるなら、原始人的な食生活を試す価値はあるかも?
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