AMD、部門独立または分社化を検討か 〜 広報部は否定、激動の半導体業界

 米半導体大手のAMDは、コンサルティング会社を雇って、事業部門独立か分社化を検討し始めたと指摘される。

 AMDは、業界最大手のインテル(Intel)との競争をはじめ、事業運営失敗や市場動向の読み間違いによって、ここ数年間、赤字経営を強いられている。

 フォーチュン誌によると、AMDのサラ・ヤングバウアー広報担当は、「事業部門の独立や分社化のために外部の専門会社を雇った事実はない」と声明を発表し、カスタム半導体の強化を含めた製品開発に注力することで立て直しを図るというこれまでの姿勢を強調した。

 業界専門家らのあいだでは、競合社との合併や分社化による生き残り策を模索することがAMDにとって賢明だとという見方も浮上している。

 半導体業界はこの半年間にきわめて劇的かつ大型の業界再編が相次いでいる。フリースケール(Freescale)はNXPに118億ドル買収され、インテルはアルテラ(Altera)を買収することに合意し、アヴァゴ(Avago)はブロードコム(Broadcom)を370億ドルの歴史的巨額で吸収する計画だ。

 AMDはモバイル電算の台頭による市場急変に対応しきれず、業績悪化の道をたどることになった。パソコン市場の低迷によってパソコン向けプロセッサーの需要が減退し、モバイル機器向けプロセッサーではもとより勝負できない状況に直面してすでに数年になる。

 AMDは、サーバー向けとグラフィクス向け、そしてカスタム・チップの事業でしのいでいる。しかし、サーバー向けとグラフィクス向けでは同社の競争力は強くない。また、ソニーのプレイステーション4といったビデオゲーム専用機向けカスタム・チップ事業は、ゲーム機の売れ行きに大きく左右されるという問題を常に抱えている。

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