IBM、クラウド基盤のデータ・ウェアハウスを提供 〜 MPPで高速処理を実現

 IBMは、クラウド電算基盤のデータ・ウェアハウス・サービスの提供を開始した。IBMはそれによって、企業がこれまで抱えていたデータ処理の遅さという問題を解消し、法人向けデータ処理市場のさらなる開拓を強化する。

 PCワールドによると、同サービス「IBMダッシュDBエンタープライズMPP(massive parallel processing)」は、クラウド電算環境でさまざまのアプリケーションを構築および管理できるプラットフォーム「ブルーミックス(Bluemix)」を基盤にしたデータ・ウェアハウス・ツール。

 データ・ウェアハウスは、データを蓄えておき、必要に応じて抽出して分析するシステム。既存のデータベースでの分析が不要になるため、処理速度の低下を回避できる。

 ダッシュDBは、そうしたデータ・ウェアハウスの機能を進化させ、より高速処理を実現した。たとえば、MPPによってデータ・テーブルの全コンテントをサーバーのメモリーにいったん保存させることによって、処理速度を格段に高速化した。

 同サービスをすでに利用している英国のマーケティング会社レッド10では、従来システムで数時間かかっていたデータ抽出作業をわずか4秒で処理できるようになったと報告している。

 ダッシュDBはそのほかにも、ケーブル・テレビ会社が地域ごとの売り上げ分布を調べたり、金融サービス会社が異なる為替取引でスポット買いをするためのデータ処理に活用できる。

 同サービスには、IBMの人工知能ワトソン(Watson)を使った分析サービス「ワトソン・アナリティクス」のほか、コグノス(Congnos)やネティーザ(Netezza)といった分析ツールの技術も取り込まれている。

 それと同時に、ルッカー(Looker)やアジニティー(Aginity)、タブロー(Tableau)といった第三者ベンダーが提供するビジネス・インテリジェンス・ソフトウェアにも対応する。

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