GE、エンジン工場をカナダへ〜米輸出入銀行の融資停止で
- 2015年9月30日
- 米国ビジネス
ゼネラル・エレクトリック(GE)はこのほど、大型ガス燃料エンジンの製造を現在のウィスコンシン州ワウキショーの工場からカナダに移すと発表した。
ロイター通信によると、今年6月に失効した米輸出入銀行(EXIM)の業務認可を連邦議会が更新しなかったことを受け、GEがカナダ政府による輸出用融資制度を利用した形で、これに伴い350人の雇用もカナダに移管する。EXIMは米輸出業者の海外顧客に融資する機関だが、議会の党派対立で6月末の認可延長が行われず、新規案件を扱えない状態が続いている。
GEはカナダで、約20カ月後のオープンをめどに総額2億6500万ドルで最新設備を整えた工場を建設する計画。建設地は未定だが、機関車用エンジンといった他のGE事業を支援するための拡張もできるよう柔軟性を持たせる。これと引き換えにカナダの輸出開発機関は、一連のGE商品に対し輸出支援を提供する。
GE広報によると、ワウキショー工場は106年前の建設。発電所や油田向けに天然ガスやメタンガスを使うピストン・エンジンを生産してきたが、一般的にこれらのエンジンはEXIMの融資を受けていないため、移管は他のビジネスに対する輸出支援を受けるのが目的という。最近の石油・ガス掘削市場の減速も、ワウキショー工場でのエンジン生産を中止する原因となっている。
国際機械工労組(IAM)の広報担当者は「ワウキショー工場の労働者は、議会保守派によるEXIM業務停止の実際の犠牲者だ」と述べた。
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