「トランプ発言は事実と相違」〜フォードCEOが反論
- 2015年10月29日
- アメリカ発ニュース
フォードの経営トップが、共和党の大統領候補争いで勢いを見せるドナルド・トランプ氏の発言に異議を唱え、選挙戦での冷静な議論を促した。
AP通信によると、トランプ氏は先週末「私の変わらぬ主張によってフォードはメキシコでの工場建設計画を中止し、米国に残る決定をした」というツイートを発信した。これに対してフォードのマーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)は27日、第3四半期決算の電話会見の際に、トランプ氏と話をしたことも最近になって製造に関する計画を変更した事実もないと言明した。
さらにフィールズCEOは、トランプ氏が話題にしたと考えられる大型トラック生産のメキシコからオハイオ州への移転について、2011年に下された決定だと指摘した。オハイオ工場での生産は今年8月に始まった。フィールズ氏は「事実は頑強なもので、フォードはそういう事実を誇りに思う」「残念ながら政治の世界では事実が失われつつある」とも付け加え、虚実入り交じる選挙戦の論争を皮肉った。
トランプ氏はたびたび、米自動車メーカーに国内雇用を維持させるため「大統領になったらメキシコ製の車や自動車部品に35%課税する」と語っている。
共和党の大統領候補としてトランプ氏と争っているオハイオのジョン・ケイシック州知事も27日、「私たちは11年にこの契約に合意した。理由は私たちがオハイオでなすべきことを知っているからで、われわれは収支の帳尻を合わせ、雇用を増やし、労働者を訓練する要領が分かっている。わずか数年前と今を比べてもそれは明白だ」とトランプ氏をけん制し、自己の業績を強調しつつフィールズ氏の発言を裏付けた。
トランプ氏の広報担当者は「(トランプ氏は)彼が頻繁に論じている雇用問題の重要性を強調するためにフォードの例を挙げただけ」と説明した。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ