「年内利上げ」の可能性残すか FOMC、2日目の議論開始 

 米連邦公開市場委員会(FOMC)は28日、ワシントンの米連邦準備制度理事会(FRB)本部で2日目の議論を開始した。世界経済の先行き不透明感が波及する形で、最近の米経済は個人消費や生産に軟調さが目立つようになっており、今回のFOMCでは利上げは見送られる可能性が高い。内外の経済の動向や先行きに関する議論を通じて、年内最後となる12月会合での利上げの余地を残すかどうか、会合後の午後2時に公表される声明の表現ぶりに注目が集まる。

 9月のFOMCは、中国経済の減速や世界的な金融市場の動揺を理由に利上げを見送った。イエレン議長はその後の講演で、自身を含むFOMC参加者の大半が年内利上げを適切としていると強調したが、10月に入りタルーロ、ブレイナード両理事が相次いで慎重意見を示した。基本的に一体とされるFRB執行部の中にも、利上げ時期に関する意見の相違があることが明らかになり、年内利上げの観測は一気に後退した。

 9月の利上げ見送りは「紙一重の判断」(サンフランシスコ連邦準備銀行のウィリアムズ総裁)だったとされる。今回のFOMCで、足元の経済の弱含みが一時的なものだと判断されれば、利上げ支持が増える可能性もある。逆に、海外経済の不安定化や米国内の個人消費や生産などの停滞が長引くと評価されるようならば、年内利上げの可能性は事実上消えることにもなりかねない。(共同)

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