米調査会社IDCは、世界10大パソコン・メーカーのうち2社が向こう24ヵ月以内にパソコン市場から撤退するという予想を示した。
IDCはまた、現在のIT提供会社のうち30%以上が5年以内になくなるとも予想した。IDCによると、その大部分は、買収されるか合併するか、あるいは大幅の規模縮小または劇的軌道修正によって2020年までにIT業界から消えることになる。
インベスターズ・ビジネス・デイリー紙によると、消滅に追い込まれるそれらのIT企業は、モバイル電算やクラウド電算、大規模データ(big data)、ソーシャル・メディアに代表される「第三プラットフォームへの移行」の犠牲者とも言える、とIDCは指摘する。
消費者や企業がパソコンの代わりにスマートフォンやタブレットの購入を優先させ、クラウド電算の利用を増やしたことで、パソコンの利用価値が低下したため、パソコン市場は近年、縮小を続けている。
IDCはそういった市場動向を踏まえて、これまで4年半〜5年だった商業向けパソコン寿命が2017年までに6年以上に長期化すると予想。その結果、パソコン出荷台数は当然ながら減少する。
世界パソコン市場では現在、レノボ(Lenovo)、HP、デル(Dell)、そしてアップル(Apple)が上位4社だが、そのうちの2社は5位から10位に後退するだろう、とIDCのトム・メイネリ氏は予想する。
現在、5位から10位には、エイサー(Acer)、エイスース(Asus)、東芝、サムスン(Samsung)、清華同方(Tongfang)、そして富士通が番付けされている。
「可能性がもっとも高い筋書きは、買収か合併、あるいは撤退によって上位10社のうち2社がなくなるという見通しだ」「上位4社が下位6社のうちどれかを吸収するにしても、それほど大きな事業拡大にはつながらないため、3件以上の買収や吸収はないだろう」と同氏は予想する。
撤退する可能性がある大手の一つはデルだ。デルは、EMCを買収することで先日合意したように、法人向けデータ・ストレージやクラウド事業への重点移行に注力しており、パソコン事業の売却を模索している、と指摘される。
リコード誌によると、デルはHPとレノボ、ファーウェイ(Huawei)に売却話を打診したが、商談がまとまらなかった。
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