SFのタクシー大手が破綻〜ウーバーなどの台頭で

 サンフランシスコ最大のタクシー会社イエロー・キャブ・コーポラティブが経営破綻し、26日までに破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、同社は、事故関連の支払請求や訴訟の増加のほか、乗客の激減、ウーバーやリフトといったスマホを活用する新しい配車サービスとの競合、それらの企業による運転手の引き抜きなどさまざまな問題に直面していた。

 訴訟に関しては、2015年6月、事故で半身不随になった女性客に810万ドルの賠償金を支払うよう命じる判決を受けたほか、係争中の事件を150件抱えている。

 最近は各地で従来のタクシー会社の経営が厳しくなっており、シカゴのイエロー・キャブも昨年、携帯アプリ基盤のサービスとの競合や事故関連の支払いなどを受けて経営破綻した。

 ウーバーやリフトなどの新興企業がタクシー業界に深刻な影響を与えていることは、ニューヨークにおけるメダリオン(タクシー営業許可証)の値崩れを見てもわかる。イエロー・キャブの流し営業に必要なメダリオンは、13年には130万ドル以上の希少価値があったが15年には70万〜80万ドルまで落ち込んだ。

 860のメダリオンを所有し「New York’s Taxi King」の異名を持つエブゲニー・フリードマン氏は、金融業者による46のメダリオン差し押さえを阻止するため、これまでに一部のタクシー会社の破産を宣言し、更生手続きの適用を申請した。訴訟記録によると、シティバンクなどの貸し手は新興の相乗りサービスが従来型のタクシー営業に与える影響を懸念し、長年堅実な商売と見なされていたメダリオンを持つタクシー会社への融資を引き締めている。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る