極秘のこだわり「画家ポールジェンキンスと日本美術コレクション」〜日本ギャラリー

1. 「融通念仏縁起絵巻」より 巻物断簡、紙本着色、江戸時代(18世紀) Paul and Suzanne Jenkins Estate Foundation所蔵

ニューヨークの日本ギャラリーでは、満を持してアメリカの抽象表現主義画家、ポール・ジェンキンス(1923-2012)とその妻スザンヌ ジェンキンス (1948-2023) の見事な日本美術コレクションを紹介する展覧を開催する。

『極秘のこだわり』というタイトル通りその展示作品の数々はニューヨークの自宅や、スタジオ、パリのスタジオ以外ではまとまって公開されたことはなく日本ギャラリーで初めて展示される。70点に及ぶセレクションは根付、浮世絵、巻物の断、武具、文楽人形の頭、能面と狂言面、漆、陶器、それに加えジェンキンスが自身のバイオグラフィーに関した日本的要素を織り込んだコラージュも含まれ、アーテイストの日本美術に対するこだわり、関係と情熱を感じることができます。

能面、小癋見 (べしみ) – 出目光矩印江戸時代、18世紀 Paul and Suzanne Jenkins Estate Foundation所蔵

ジェンキンスは、ポロック、ロスコ、マザーウェルなどと同時期に名を馳せた画家で、型破りな絵の具の注ぎ方、豊かな色彩の抽象画のキャンバスでよく知られる。幼少期に訪れた故郷ミズーリ州カンザスシティにあるネルソンギャラリー (現在のネルソンアトキンス美術館) を頻繁に訪れて日本美術に夢中になる。1950年代初頭には日系アメリカ人画家の国吉康雄 (1889-1953)に4年間師事した。

1964年11月、大阪の具体ピナコテカでジェンキンスのキャンバスの前での吉原治良とポール・ジェンキンス 写真提供 Paul and Suzanne Jenkins Estate Foundation

本展は、ジェンキンスの生涯にわたる情熱を日本美術に一巡させた公の場で開催される初めての展覧会。ジェンキンス制作の作品12点、恩師である国吉康雄の作品1点など、作家自身のコラージュや絵画とともに、優れた日本美術コレクショを是非鑑賞したい。

■日時:2024年2月9日(金)〜3月1日(金)
■場所:日本ギャラリー (日本クラブ 7階) 
    145 West 57th Street, 7th Floor, New York, NY 10019
■時間:10:00 am – 6:00 pm (月-金) 10:00 am – 5:00 pm (土) 日・祝日(2/19) 休
■入場費:無料
■お問い合わせ: gallery@nipponclub.org
■詳細(ウェブサイト):www.nipponclub.org

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