NC州への投資取りやめ 〜 ペイパル、「性差別法」に抗議

 電子決済サービス大手ペイパルは5日、ノースカロライナ州シャーロットで計画していた国際営業センター開設や同都市圏での投資を中止すると発表した。同州で性的少数者の差別につながりかねない法律が施行されたことに抗議の意味を込めた。新州法に対する大手企業の具体的な抗議行動は初めて。

 ロイター通信によると、同州では3月、学校など公共施設のトイレやロッカールームを使う際は本人が考える自己の性別ではなく出生証明書に記された性別に従うよう義務付ける国内初の州法が成立した。州最大都市シャーロットの条例は自己認識に従うよう定めているが、これは無効になる。多くの人はこの州法を同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー(LGBT)に対する攻撃と見ている。

 ペイパルのダン・シュルマン最高経営責任者(CEO)は「新法は差別を存続させており、当社の理念や文化の核を形作る価値や原則に反する」と述べた。アップル、ツイッター、アルファベットなどを含む100社以上の代表者も3月29日付でパット・マクローリー知事(共和)に書簡を送付しており、同州法を廃止するよう迫った。

 ペイパルの行動に対し、ダン・フォレスト副知事は声明で「女性用のトイレやシャワーに男性が入らないようにすることで、1人の子供や女性を性的いたずらや暴行から守ることができるなら価値がある」と反論した。

 ペイパルは3月、シャーロットに業務センターをオープンして400人の技術労働者を雇用する計画を発表しており、2017年末までに360万ドル以上を投資する予定だった。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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