台頭は「過熱報道が原因」　トランプ氏、メディア操縦

　大統領選の共和党候補指名争いで、先頭走者の実業家トランプ氏(69)の台頭は「過熱報道が原因」とメディアの責任を問う議論が広がっている。連日の報道が宣伝効果を生み、支持率を引き上げているとの指摘だ。4月に入り勢いに陰りも見えるが、トランプ氏自身もこれまで巧みにメディアを操縦してきた。

　オバマ大統領は3月下旬、優秀な政治報道を表彰するイベントで「記者の仕事は誰かにマイクを向けるだけでなく、徹底的に調査し掘り下げることだ」と強調。メディアが「トランプ氏の主張を垂れ流している」と言いたげだった。

　AP通信によると、CNNテレビなどニュース専門3局の平日ゴールデンタイム視聴者数は今年に入って一晩当たり570万人で、昨年の340万人から急増。大統領選自体への関心に加え、トランプ氏の過激な言動が貢献した。ニューヨーク・タイムズ紙は、2月までにトランプ氏が使った広告費は1000万ドル(約10億7000万円)だが、メディアに取り上げられることで計約20億ドルの宣伝効果を上げたと指摘する。(共同)

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