豚のふん使った発電を拡大 〜 デューク・エナジーが業者と契約
- 2016年4月11日
- アメリカ発ニュース
国内最大の電力会社デューク・エナジー(Duke Energy、ノースカロライナ州)は、家畜のふんを利用した再生可能エネルギー発電の規模を拡大するため、メタンガス回収・処理サービスのカーボン・サイクル・エナジー(Carbon Cycle Energy、コロラド州)とメタンの供給契約を結んだ。
AP通信によると、カーボン・サイクルは、豚や鶏のふんから出るメタンを収集し燃料として精製する施設をノースカロライナに建設する予定で、デュークはここで生産されたメタンを使って年間約1万世帯の消費量に相当する電力を生産する。
デュークはこれまで小規模なメタン発電を行っていたが、今回の事業は動物の糞を使った発電としては最大規模となる見込みで、大部分は豚のふんを使う。同州には2000の養豚業者がおり、現在は「ラグーン」とも呼ばれる肥だめに液状の排せつ物を集め、肥料として畑にまいている。
カーボン・サイクルの計画では、家畜のふんの近くでメタンを収集し、トラックかパイプで中央施設に送り、デュークが4つの火力発電所で使える燃料に精製する予定。ノースカロライナの電力会社は、2021年までに電力の12.5%を再生可能エネルギー発電で賄うよう義務付けられている。国内では半分以上の州で同様の規則が導入されているが、特にノースカロライナはアイオワに次ぐ全米第2の豚の生産地(生育数約880万頭)であることから、電力会社に豚や鶏のふんを使った発電を義務付けている数少ない州の1つでもある。
カーボン・サイクルのメタン精製工場は養豚が盛んな州東部に建設される可能性が高く、デュークは21年までに電力の0.2%を豚のふんから生産しなければならない。デュークはノースカロライナ、サウスカロライナ、オハイオ、ケンタッキー、インディアナ、フロリダで、720万世帯に電力を供給している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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