グリー、VR開発に特化した基金を設立 〜 北米の新興企業への投資を強化

 日本のゲーム開発大手グリー(Gree)は、仮想現実(virtual reality=VR)向けのソフトウェアやアプリケーションの開発に取り組む米新興企業に投資することをおもな目的に、1200万ドルの投資基金を設立した。

 同社の発表によると、GVRファンド(GVR Fund)と命名された同基金は、同社が2016年2月にサンフランシスコに立ち上げた子会社グリーVRキャピタルを通して設立された。グリーのほか、コロプラの子会社でVR専門投資基金のコロプラVRファンドやミクシィが出資した。

 グリーの中核事業はモバイル・ゲームで、年間売上高は約10億ドル。

 ベンチャービート誌によると、GVRファンドの設立は、グリーが将来の成長市場として仮想現実に重点を移行させる可能性を示唆している。

 仮想現実市場は2020年までに300億ドルに成長する、とデジキャピタル(Digi-Capital)では予想している。

 ベンチャー・リアリティー・ファンド(Venture Reality Fund)やプレゼンス・キャピタル(Presence Capital)も、仮想現実および拡張現実(augmented reality=AR)に投資する基金を設立している。

 グリーVRキャピタルの筒井鉄平上席部長はゲームズビートの取材に応えて、「モバイル・ゲームのほかにも浮上しつつあるゲーム事業のプラットフォームがある」と話した。

 グリーは、独自のゲーム開発を手がける「グリーVR」スタジオを昨年11月に設立した。しかし、GVRファンドの設立は、仮想現実技術と関連する他企業と手を組むことで、より大きな事業機会や北米外での市場開拓を視野に入れていることを示唆している。

 「当面は北米市場に重点を置くが、世界に目を向けていないわけではない」と筒井氏は話している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る