海運業界の再編が加速 〜 相次ぐ合併、提携にも影響
- 2016年4月18日
- アメリカ発ニュース
海運業界は大手の合併によって業界再編が加速しており、アライアンス(国際提携)の構成にも大きな影響を与える可能性が出てきた。
ウォールストリート・ジャーナルによると、2015年12月にフランスのCMA CGMがシンガポールのネプチューン・オリエント・ラインズ(NOL)の買収を発表。今年は中国の中国遠洋運輸集団(Cosco)と中国海運集団(CSG)が合併した。欧米の規制当局はこれらの合併の可否を審議中で、欧州委員会(EC)はCMA CGMとNOLの合併に関する決定を4月29日までに下す見通し。米国連邦海事委員会(FMC)のウイリアム・ドイル委員は「向こう2週間で業界のアライアンスが大きく変わる可能性がある」と見ている。
CMA CGMは現在、CSGのコンテナ部門チャイナ・シッピング・コンテナ・ラインズ(CSCL)およびアラブ首長国連邦のドバイを本拠とするユナイテッド・アラブ・シッピング(UASC)と「オーシャン・スリー」アライアンスを構成し、アジア〜欧州航路で22%のシェアを持っている。一方、Coscoはアジアの業者と組んだ「CKYHE」で25%のシェアを持つ。
また、業界最大手デンマークのAPモラー・マースクとスイスのメディタレニアン・シッピング(MSC)による「2M」は34%のシェアを握り、NOLはシェア18%を持つ別のアライアンス「G6」に参加している。
深刻な海運不況が続く中、アライアンスは船舶、ネットワーク、ポートコールなどを加盟社が共有し、多額のコストを節約している。CMA CGMのロドルフ・サーデ副会長は2月、「当社はより大きな海運会社になりつつあり、パートナーを選べる立場にある」「新生CSGと協議中だが、それ以外とも協議している」と話した。また、NOLに関しては買収後にG6から脱退させる意向を欧州当局に伝えている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
米技術大手ら、メキシコでの製造拡大に注力 〜 台湾の技術製品メーカーらに熱心に働きかけ
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
米国内都市圏の住宅所有者らは自然災害に要注意〜異常気象による損害危険の高い地域が明確に
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ドライバーの過半数が「AVは怖い」~AAA調査
-
2024年5月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVへの関心、ますます低下~消費者、メーカーの思惑に反し
-
インフルエンサーとブランドをつなぐプラットフォームで台頭 〜 ショップマイ、1850万ドルを調達
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開