ソニービルの高級住宅化断念 〜 サウジ投資会社に売却

 かつてソニーの北米本社が入居し、「ソニー・ビルディング」と呼ばれたニューヨーク市内マディソン街550にあるビルが、一度は計画された超高級住宅への改築が実現しないまま売却されることが分かった。

 ニューヨーク・タイムズによると、3年前に11億ドルでソニーからビルを購入した不動産開発業者ジョセフ・チェトリット氏は、有名建築家ロバート・スターン氏を起用し、37階建てのオフィス・タワーを5つ星ホテルを含む超高級コンドミニアムに建て替え、最上階には大理石階段をつけた3階建てのペントハウスを造り1億5000万ドルで売り出す計画を発表していた。

 しかし、チェトリット氏とパートナーのデイビッド・ビストライサー氏は9億2500万ドルに上る短期ローンの支払いを抱え、最低1100万ドルというアパートの値段の高さや計画の利益見通しが不透明なことから建設ローンの取得にも苦労したため計画を断念し、4月下旬にサウジアラビアの投資会社オラヤン・グループが主導するパートナーシップに14億ドルで売却する契約を結んだ。新オーナーは建物をオフィス・ビルにする意向だという。

 高級住宅プロジェクトのコンサルタントによると、高級アパート市場はこの3年で冷え込み、今は「差し引きゼロでもいい方」という。

 ソニービルは1980年にAT&Tの本社として建設され、2002年にソニーがAT&Tから約2億3600万ドルで購入したが、住宅市場が加熱していた13年に競売にかけ、11億ドルで入札したチェトリット氏が商業ビルの開発業者に競り勝った。ソニーは最近までチェトリット氏からスペースをリースしていた。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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