ウーバーとリフト、テキサスでサービス停止

 スマートフォンを利用した配車サービスのウーバー(Uber)とリフト(Lyft)は9日、ドライバーの指紋採取の是非が問われた住民投票が両社に不利な結果になったことを受け、テキサス州オースティンでのサービスを停止した。

 ロイター通信によると、市民は先週末、犯罪歴調査のための指紋採取を義務付けた市条例の撤廃を求める「Proposition 1(提案1号)」に約90万人が投票し、反対56%、賛成44%で条例存続を決めた。国内で指紋採取の賛否を問う投票が行われた主要都市はオースティンが初めて。

 ウーバーとリフトは昨年12月、市議会が指紋検査の義務付け条例案を可決したのを受け、約900万ドルを投じて政治活動団体「Ridesharing Works for Austin」を組織し、住民投票実施の請願を行った。支出額は存続賛成派団体の予算の約85倍に上り、反対票1票に200ドル以上が注ぎ込まれた計算になる。

 両社はこれまで、独自で行っている身元調査が包括的かつ安全であり、あらためて指紋検査を導入する必要はないと主張してきた。

 アイオワ州では同日、テリー・ブランスタッド知事がサービス会社にはドライバーの身元調査を、ドライバーには自動車保険への加入を義務付ける州法案に署名して法律を成立させた。このほか、ジョージア州アトランタとテキサス州ヒューストン両市でも指紋採取の是非をめぐって両社と自治体が対立している。

 主要都市では唯一、ニューヨークが指紋採取をウーバーのドライバーに義務付けている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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