米議会首相演説から布石 水面下で「謝罪求めず」 

 オバマ大統領による被爆地・広島訪問が27日に実現する。日本政府は、昨年の安倍晋三首相の米議会演説や戦後70年談話で、太平洋戦争で戦火を交えた過去を乗り越え「未来志向」の関係を目指す決意を発信。今年4月の広島での先進7カ国(G7)外相会合にケリー国務長官を招く際、米側が警戒する「謝罪」を求めないと水面下で伝えた。「オバマ氏の広島訪問は米の判断次第だ」と静観しつつも、歴史的訪問実現へ布石を打っていた。舞台裏に迫った。

 ▽メッセージ
 「首相の米議会演説や70年談話がなければ今回の決定はなかった」。日米両政府による正式発表から一夜明けた11日、官邸筋はこう強調した。首相の米議会演説は先の大戦への痛切な反省を表明。両国の真の和解を訴えた。70年談話は「歴史の教訓を深く胸に刻み、より良い未来を切り開く」と語りかけた。こうした「渾身のメッセージ」(関係者)が、広島で原爆投下の歴史を直視し「核なき世界」を呼び掛けるオバマ氏の決断を引き寄せたというわけだ。

 ローズ米大統領副補佐官は訪問発表後に「大統領は、開かれた歴史理解が未来を構築すると考えている」と表明。首相も周囲に「日米双方が未来志向の関係を築けていた」と話した。(共同)

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