仏海運大手CMA CGMが、世界最大級のコンテナ船「ベンジャミン・フランクリン号」の米国への運航を開始から5カ月足らずで終了したことが分かった。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ベンジャミン・フランクリン号はコンテナの最大積載量1万8000TEU(20フィートコンテナ換算)で、太平洋回りで国内に寄港するコンテナ船としては世界最大だった。2015年暮れの処女航海でロサンゼルス港に入港し、2月には2度目の航海でロングビーチ港に寄港した。ロングビーチでは船内ツアーなど就航を祝うイベントが開催されたほか、ウォルマート・ストアズのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)の妻が名付け親(Godmother)となって船名が正式決定した。
CMA CGMのジャック・サーデCEOはこの時、米経済とコンテナ需要に自信を示した上で、同社の太平洋航路「Pearl River Express」で同サイズの船を6隻追加すると宣言した。しかし船舶の運航情報会社ブルーウォーター・リポーティングによると、CMA CGMのアジア〜米西海岸ルートでは現在、より小型の「リオ(Leo)」(約1万1400TEU)が運航されている。
CMA CGMのウェブサイトによると、ベンジャミン・フランクリン号は現在大型船が一般的なアジア〜欧州ルートで使われている。広報担当者は取材に対し、米西海岸向けのルートで大型船を増やす当初の計画は凍結されたと語った。
海運各社は今、コンテナの運賃暴落に頭を抱えている。CMA CGMがベンジャミン・フランクリン号の切り替えを決めた4月には、中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ)など競合6社と共同運航を始めており、その加盟社の間から太平洋ルートでの巨大船運航に異議が出た可能性もある。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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