化学大手デュポンの工場から漏れた有害化学物質ペルフルオロオクタン酸(PFOA)を含む水を飲んで精巣がんになったとして男性が同社を相手に起こした訴訟で、オハイオ州コロンバスの連邦地裁陪審は同社の過失を認め、200万ドルの賠償金支払いを命ずる評決を下した。PFOAはフライパンや鍋の焦げ付き防止加工「テフロン」で使われる化学物質。
ロイター通信によると、原告のケネス・ビニェロン氏はウェストバージニア州のデュポン工場に近いオハイオ州ワシントン郡で、PFOAが混じった飲料水を飲んだ。陪審はデュポンの行動に「現実的悪意(actual malice=危険と知りながら放置した事実)」があったと判断しており、今後さらに懲罰的賠償金の支払いが命じられる可能性もある。
デュポンは、PFOAの飲料水汚染を巡って3400件以上の訴訟に直面しており、敗訴評決は今回が3例目。来年は39件の法廷審理が予定されている。関連訴訟の費用は、2015年にデュポンから分離した高機能化学部門ケマーズ(Chemours)が負担することになっている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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