マサチューセッツ州政府のマサチューセッツ技術協力(Massachusetts Technology Collaborative=MTC)は、デジタル医療技術の開発促進に向けて、研究施設の新設計画に500万ドルの助成金を拠出する。同州のキャリン・ポリート副知事とGEの幹部らが共同声明で明らかにした。
新たなデジタル医療革新技術研究所は、ウースター工科大学(Worcester Polytechnic Institute=WPI)内に設置される。WPIも950万ドル弱を出資し、GEヘルスケア生命科学(GE Healthcare Life Sciences)も250万ドルの資金と画像機器類を提供する。
HITコンサルタント誌によると、それらの資金は、プラクティスポイント・アットWPI(PracticePoint at WPI)という名称のデジタル医療革新技術研究施設の整備に投じられる。
医療機器技術の商業化に熱心なWPIでは、プラクティスポイントの開設によって、特にサイバー=フィジカル医療システム(Cyber-physical Healthcare System)の開発に取り組む計画だ。
サイバー=フィジカルとは、日常のさまざまの身体状態をデータとして収集して定量化し、それを医療診断に役立てる手法。たとえば、身体に種々の検知器を多数取り付け、一定期間にわたって集めたデータを分析して健康状態を診断するといった応用法がある。
プラクティスポイントでは、サイバー=フィジカルを土台にしてロボティック診断ツールをはじめ、手術ロボットや個人化治療、スマート・リハビリテーション機器の開発に注力する。
プラクティスポイントはまた、手術、臨床、リハビリテーション、家庭医療という4分野での研究&開発を進めていく方針。
MTCは、マサチューセッツ州政府の共同研究&開発助成制度によって運営されている。同制度は、5000万ドルの基金として2012年に設立された。マサチューセッツには、ケンブリッジやボストンを中心にデジタル医療技術新興企業や大手らが約350社もあり、州経済の重要な産業界を形成している。
【http://hitconsultant.net/2017/04/17/mass-digital-health-innovation-grant/】(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ
-
米国特許商標庁、出願者らの個人住所流出が再発 〜「不注意」が原因、影響を受けた人たちに通知