クアルコム(Qualcomm)は、アイフォーン(iPhone)の米国輸入と米国内販売の差し止めを米国際貿易委員会(ITC)に求めた。クアルコムの動きは、アップル(Apple)に対する制裁措置といえる。関係筋が明らかにした。
両社のあいだには、アイフォーンに使われるクアルコムのスマートフォン向け半導体技術特許の使用料をアップルがクアルコムに払うという合意がある。しかし、アップルは最近、その内容が不当だと訴え、クアルコムへの特許料支払いを凍結。その結果、同件は連邦地裁での巨額訴訟に発展している。
テック・ニュース・ワールド誌によると、アップルは、裁判で決着するまで特許使用料の支払いを見送る方針を4月に発表し、クアルコムはそれに対し、「不当な言い分」「ライセンス合意は正当かつ法的根拠にもとづいている」と反論した。
「見解の相違がある場合には、何が正当なのか決まるまで支払い額がわからないため払えない」とアップルのティム・クックCEOは話している。
アップルによると、クアルコムはアイフォーンの売上高に対するパーセンテージを特許使用料として請求している。
「クアルコムの無線通信技術は良質だが、クアルコムはモバイル端末向け半導体市場における圧倒的力を乱用している」「アイフォーンに占めるその価値はきわめて小さく、アイフォーンの価値に対するパーセンテージを請求するのは不当であり、クアルコムが提供する技術だけに関して請求すべきだ」とアップルは主張している。
クアルコムはアップルの主張に対し、声明を発表していない。
大量のアイフォーンがアジアから米国に輸入販売されている。2017年秋に新型機種が発売されることから、クアルコムの主張が認められれば、次期アイフォーンの販売数はきわめて深刻な打撃を受けることになる。
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