米技術大手のCEOら、移民社員擁護を表明 〜トランプ大統領の強制送還措置を批判

 米技術業界は、不法移民強制送還の措置猶予策を撤廃する方針をドナルド・トランプ大統領が打ち出したことを激しく批判すると同時に、移民社員支援を相次いで表明した。
 
 米国には、不法移民を強制送還処分にする規定があるが、不法移民の家族として幼少時代に入国した若者をその対象から除外する猶予措置「Deferred Action for Childhood Arrivals=DACA(子どもとして到着した人たちのための措置延期)」がある。しかし、トランプ大統領は5日、その猶予措置を撤廃する方針を表明した。
 
 DACA対象の若者は通常、ドリーマーズと呼ばれる。
 
 米技術業界大手には、不法移民の子息ら(ドリーマーズ)が多数働いている。マイクロソフトの場合、DACAが撤廃されると少なくとも39人のドリーマーズが強制送還対象となる。
 
 アップルのティム・クックCEOは、約250人のドリーマーズがアップルで働いていると公言している。一方、グーグルでは、自身もインドからの移民であるサンダー・ピチャイCEOがドリーマーズについて「われわれの友人であり同僚だ」と述べ、ドリーマーズ社員の徹底擁護を表明した。
 
 ブルームバーグによると、DACA撤廃反対の動きは金融や小売業界でも広まっている。それらの業界でもドリーマーズは非常に多い。
 
 技術や金融、小売、そのほかの業界のCEOらは先日、DACA対象者を強制送還した場合に米GDPが4603億ドル(約50兆円)減少するとともに、米国の競争力が弱まると訴えた書簡をホワイトハウスと連邦議会に送った。
 
 同声明に署名したCEOの数は、技術や金融、小売業界の大手を中心に5日までに500人に達している。
 
 【https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-09-05/trump-move-to-end-daca-met-with-swift-tech-industry-condemnation】(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る