モバイル配車および相乗りサービス最大手のウーバー・テクノロジーズ(Uber)は12日、ソフトバンクと投資会社ドラゴニアー(Dragoneer、サンフランシスコ拠点)が共同主導した資金調達ラウンドによる投資を受け入れることで合意したと発表した。
投資額は最高で総額100億ドルの巨額に上る見込み。ソフトバンクとウーバーは、ソフトバンクがウーバーに大型投資をすることで10月に大筋合意していたが、議決権や諸条件の詳細について交渉が難航していた。
ロサンゼルス・タイムズによると、今回の資金調達では、投資した会社らはウーバーの14%を取得したい意向だが、ウーバー側はその割り合いに関し最終決断をくだしておらず、その開きが大きければご破算になる可能性も残っている。
投資が成立すれば、ウーバーは、競争が激化する同市場においてサービス提供都市の数を世界規模で増やすための資金を得られる。それと同時に、ウーバー創業者のトラヴィス・カラニック前CEOが失脚した現在、ソフトバンクらの議決権によって、ウーバーの企業統治が改善されると期待される。
さらに、いくつもの技術会社や投資家、傘下企業を抱える孫正義氏との強固なつながりができることで、ウーバーは、技術やサービス、事業展開の拡充に向けてさまざまの支援を得ることができる。
一方、ソフトバンクは、共有経済型事業が今後も伸び続けるという考えのもと、中国のウーバー的存在である滴滴出行(Didi Chuxing)を含むアジアのモバイル配車大手3社に投資している。業界最大手のウーバーへの影響力を強めることで、世界のモバイル配車サービス市場の覇権をにぎることを孫氏は狙っているという憶測もある。
また、ウーバーの競合社であるリフト(Lyft)も、GMやフェイスブックから巨額の投資を獲得しており、主要都市での存在感を強めていることから、ソフトバンクとフェイスブックが同市場での覇権争いを出資社として繰り広げることになる、と指摘される。
【http://www.latimes.com/business/technology/la-fi-tn-softbank-uber-20171112- htmlstory.html】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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